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ご利用事例

CASE-E05

ネットワーク型RTK単点観測法による
基準点測量の精度検証

大阪工業大学大学院 工学研究科さま

■ 所在地:
大阪府大阪市

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平成12年度に「RTK-GPSを利用する公共測量作業マニュアル」が作成され、3・4級基準点測量にRTK-GPSの利用が認められました。更に平成17年度に「ネットワーク型RTK-GPSを利用する公共測量作業マニュアル」が作成、ネットワーク型(以降、「NW型」という)の配信データにより受信機1台で観測でき、初期化時間も短縮する等、現在の公共測量の作業効率を向上させました。
しかし、NW型RTK-GPSによる基準点測量も、新点および既知点の観測を行い(既知点が存在しない場合は、基準点設置が必要)、三次元ベクトルによる網平均計算が必要であり、状況によっては機材や人員、時間の負荷が発生します。

本研究では、NW型RTK-GPSが電子基準点を基礎としている点に着目し、基準点を設ける必要が無い「NW型単点観測法」が、基準点測量において有効であるかを検証しました。
検証方法は、都市再生街区基準点調査により設置された街区基準点を対象(新点及び既知点)としてNW型単点観測法と従来手法を比較しました。

作業概要

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  • 新点は、街区多角点「点名 10A80・10A98・10A99」の3点としました。
  • 既知点は、街区三角点「点名 1005A・1010A」と街区多角点「点名 10A70」としました。
  • 仮想基準点は、各新点から200m以内に選点しました。

NW型RTK-GPSは、作業マニュアルによる直接観測法(以降、「NW型直接観測」という)とNW型単点観測法(以降、「NW型単点観測」という)を用い、街区基準点の座標値の比較、また、TSおよびレベル測量結果との比較も実施しました。

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NW型直接観測による網図

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NW型単点観測による網図

成果品との比較

以下は、新点「10A80・10A98・10A99」の座標値を中心とした各観測方法の結果及び天空図になります。

  • 新点 10A80
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  • 新点 10A98
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  • 新点 10A99
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NW型直接観測法とNW型単点観測法の座標値の標準偏差

この結果より、NW型直接観測とNW型単点観測では標準偏差に大きさ差異はないと考えられ、NW型単点観測法でも精度よく座標値が得られることを示唆しています。

TS(トータルステーション)による比較

観測された座標値にはバラツキが生じるため、測定精度を確かめておく必要があり、TSにより各新点間の距離を測定、この値を真の値として、NW型直接観測とNW型単点観測で測定された座標値から辺長を求め、相互の比較を行ないました。
尚、NW型直接観測・NW型単点観測の辺長は20回の測定結果の平均値としました。
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点間距離の比較

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グラフはTSとNW型直接観測・NW型単点観測との較差であり、較差のプラスの値は辺長が長いこと、マイナスの値が短いことを意味しています。尚、新点 10A99、10A80の区間に障害物(住宅等)があり、TSによる測定は行なえませんでした。

まとめ

  1. NW型直接観測とNW型単点観測で得られた座標値のバラツキには、大きな差はみられなかった。
  2. TSおよびレベルとの較差は、NW型直接観測・NW型単点観測ともに同様な傾向が認められた。
  3. NW型単点観測法は、NW型直接観測法に比べ少人数で済むため作業効率も向上する。
  4. 新点10A98では1時間以上も観測できない事が多少あった。したがって、ネットワーク型RTK観測法の観測精度や観測効率は観測場所の天空状況によって左右される。

上記の通り、今回の実験結果からは、ネットワーク型RTK単点観測法も作業マニュアルと同等な成果を得られ、また、作業効率の向上も感じられました。今後は街区基準点の維持管理や復元などにも効率的な方法になると予想されます。


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