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ご利用事例

CASE-B07

地上型レーザスキャナとネットワーク型RTKGPSによる
河川計測手法について

東名開発株式会社さま

■ 所在地:
静岡市駿河区
■ URL:
http://www.tomeikaihatsu.co.jp/

はじめに

わが国の国土は環太平洋造山帯に位置し、その成因から地質が脆弱で地形も急峻であるため山地の侵食が生じやすい。山地部で生産された土砂は河川をとおして下流に運ばれ、谷の出口で礫主体の扇状地を、さらに下流に移動すると砂・泥主体の沖積平野を形成し海に至っている。この土砂は、海域では沿岸域に堆積し、また漂砂となって移動し海岸地形を形成している。
戦後の経済成長は、土砂移動に対して大規模な人為的インパクトを加えた。それは土砂災害防御のための砂防ダムの建設や植林事業による荒地の減少、水資源開発や洪水防御のための大規模なダム貯水池の建設、洪*水流下能力増大のための掘削や建設資材利用のための河道の砂利採取などである。これらにより河川への土砂供給の減少がはじまり現在に至っている。

現在、一級河川大井川の県管理区間(河口より24.0㎞~72.0㎞)のうちの土砂管理計画は毎年行なう400mピッチの定期横断測量により48km区間の土量、平均河床の比較(年ごと比較)を行い、静岡県として土砂移動の現状調査分析を行い検討している。
しかし国土交通省河川審議会は総合的な土砂管理の目的とする所の「時間的・空間的な拡がりをもった土砂移動の場(「流砂系」)において、それぞれの河川・海岸の特性を踏まえて、国土マネジメントの一環として適切な土砂管理を行なう」ためには従来の管理手法では限界があると指摘している。
理想的な検証方法として、時系列的に河道状況の三次元データを取り出す事が出来る空中写真測量や航空レーザ計測による判読方法も考えられるが、手法やコストを考慮して地上型レーザスキャナー(以下地上型LS)を選択することとした。 時間的・空間的な拡がりを持った土砂移動の場を時系列的に判読する事を目的として、一定区間の河道地形モデルを作成し今後の土砂管理計画に資するために、精度及び計測スピードに優れる地上型LSとネットワーク型RTK(仮想点リアルタイム測位)を組み合わせた手法により計測を行なう方法で、一級河川大井川の一定区間(上長尾:50.6km~52.2km、崎平:62.6km~64.2km)と一級河川安倍川(静岡市葵区田町:4.0km~6.0km)において計測業務を行なった事例を紹介する。

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▲一級河川大井川(上長尾地区50.8㎞付近)

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▲上長尾オルソフォト(50.6km~52.2km)

計測の特色

1.地上型LSによる計測
一定区間の流域(局所)における河道地形を面的且つ精確に計測し、河道数値地形モデルを作成するには地上型LSによる手法が有効であると考えた。
本計測に使用した地上型LSの特色は次のように要約される。

(1)リーグル社製地上型LS(LMS-420i)と光波測距儀の単純な比較は難しい、測定原理が異なる為である。しかし測定対象に正対した方向では、光波測距儀±5㎜でありLS±10㎜である。つまり光波測距儀の精度とほぼ同等である。(比較表参照)
(2)機械原点を中心に距離は半径1キロ・上下方向80度・水平方向360度の空間情報を10分程度で計測。(リーグル社製地上型LS:LMS-Z420i)
(3)一度の計測で大量のデータ取得(8000点/秒)、計測スピード向上によるコストダウンが可能。
(4)ノンプリズム計測のため、安全性に優れる。
(5)データ取得は自動化のため、技術者の主観が入らない。
(6)安全な赤外線を使用している。(JIS C 6802:2005)
・AEL値(被ばく放出限界)はクラス1

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▲地上型LSと光波測距儀との比較表

2.標定点の計測

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▲ネットワーク型RTKによる観測

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▲標定点

解析用標定点の計測にはネットワーク型RTKのJENOBA方式を採用して計測に使用した。
ネットワーク型RTK(JENOBA方式)の計測は次の手順で計測される。

(1)各電子基準点をネットワークで結んだ計算センターで連続観測量をリアルタイムに収集し解析する。
(2)移動局で携帯電話により概略位置(V)をセンターに送信する。
(3)計算センターでその仮想基準点位置(V)に対応した仮想観測量と補正情報を計算して移動局に送信する。
(4)移動局で携帯電話により仮想基準点の各仮想観測量を受信する。
(5)これらのデータをGPS受信機に取り込んで干渉測位計算を実施する。

つまり携帯電話の通話可能エリア内では、単独の測位で世界測地系座標取得が可能である。本来河道における定期横断測量は河川管理距離標から行なうのが通常なのだが、このネットワーク型RTKで計測各ポイントにて取得したデータを合成・もしくは演算を行なうために設置する標定点の座標取得に使用することにより、計測スピードが飛躍的に高くなる。
PDOP(衛星受信環境)にもよるが、従来では60分ほどかかっていた観測が、近年ではセットしてから数分で世界測地系の座標取得が可能であるという画期的なシステムといえる。

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▲地上型LS計測風景

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▲標定点と地上型LS

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▲TSと地上型LSとの比較図

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▲計測区間任意断面出力図


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