土地家屋調査士業務とネットワーク型RTKの融合事例

大村GPS研究会 様

所在地
長崎県大村市、東彼杵郡

(2006年3月時点)

作業概要

私たち土地家屋調査士はネットワーク型RTK方式を利用し、土地家屋調査士における測量業務の基準を旧日本測地系や任意座標系から世界測地系へ移行の推進並びに研究を目的に活動しています。

1等三角点・虚空蔵山にて

現場では、単点観測法で3セットの観測を行い、較差20mm以内かどうかのチェックして点の成果に利用しています。(1セットは10エポックで2回観測。再初期化を行い次のセット観測を実施)。また、1筆のみの測量も多いため、筆界点のTS観測のための器械点及び後視点をネットワーク型RTKにて座標決定する場合は、精度を考慮して3級基準点相当の200m程度の視通距離を確保するようにしています。
不動産登記法第14条地図地域における図根点の亡失等の問題点については、既存地図の与点精度の資料(局所パラメータ)を蓄積していけば、境界復元測量や今後利用されていく筆界特定制度にも活用できるため、研究会では地図作製当時の与点である三角点等の観測を実施しています。目的のイメージは、古い地籍図にアイロンをかけて作製時の姿が見える感じです。

結果/導入メリット

当初は、携帯電話が圏外では使えないから不便などと言われていましたが、実際に土地家屋調査士業務の現場の殆どは、圏外になるケースは少なかったようです。今後の計画としてはVRSスタッティクとの併用も将来的には必要なのかも知れません。
会員の中には国調区域の測量が楽になった等の意見も出ております。ともかく最大の長所は、GPS観測時間が短縮されることです。土地家屋調査士業務における測量時間は、以前から数時間で終わるケースが殆どであるため、ネットワーク型RTKの観測時間は、調査士の測量時間の感覚に融合していると感じています。また、観測時間が短いために、広範囲に数多くの点を均一な精度で観測することが可能であり、設置済み基準点の検測を行ったり、短い期間で過去の資料との突合せの機会が多い土地家屋調査士には、必携のツール(道具)であると感じています。

4等三角点・片島にて

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