UAVを用いた写真測量におけるネットワーク型RTKの活用
五十嵐建設株式会社 様
- 所在地
- 北海道北見市
- URL
- https://www.igarashi-kk.co.jp/
概要
2021年度は7現場(起工測量、出来形等)で合計13回のフライトを行い、その内3フライトはネットワーク型RTKの利用になります。通常フライトではUAV専用の基準局を基準点に設置する場合や現場事務所に設置しているDroggerの基準局を使用しますが、ネットワーク型RTKは基準局設置が不要になる事から主に以下のケースで利用しています。
ネットワーク型RTKの主な利用ケース:
- 基準点が近くに無い(急遽決定した捨場の調査など当初の設計には無かった現場の場合)
- 受注後すぐに現場測量が必要(起工測量の実施前に現場地形や工作物の位置調査など行う場合)
- 現場景観の写真撮影のみのフライト(UAV用の基準局設置には手間が掛かる為)
GNSS搭載のUAVを用いた写真測量は対空標識の設置数をかなり少なく出来るメリットがあります。
また、景観撮影では特に位置情報を正確にする必要はありませんが、撮影した写真に正確な位置情報が記録されていれば、次回も全く同じ位置、アングルで撮影する事が可能になりますので、弊社では主に写真測量が必要な現場でUAVを用いたRTK測位を行うようにしています。
UAV専用の基準局を設置した場合、位置精度が更に上がりますが、前提として基準局とUAVの離陸地点を近くにする必要がありますので(飛行前に基準局とUAVをリンクさせる必要がある為)、UAV機材の運搬車から離れた場所に基準点がある場合や地形的(傾斜地等)に基準点の近くからフライトできない等の場合などもネットワーク型RTKを活用しています。
作業概要
UAVとネットワーク型RTKについては以下のシステムを使用しています。
UAV:DJI Phantom4 RTK
コントローラー:SDK送信機+iPad(※モニター付き送信機はほぼ使わない)
飛行アプリ:Ground Station ProもしくはDJI Pilot
飛行方法:Way Pointもしくは計測撮影領域モード
インターネット回線:スマートフォン(テザリングによる)
なお、Way Pointで飛行させる場合は、予め図面等で飛行経路(自社アプリで地形特性に適したルートを決定する)と高度を設定し自社アプリで飛行アプリ用データに変換して入力しています。
また、ネットワーク型RTKを利用した場合は高さが楕円体高で記録されてしまう為、これも標高に変換する自社アプリで対処しています。
結果/導入メリット
ここ数年で弊社におきましてもUAVは写真測量に欠かせない存在になりました。また、ネットワーク型RTKを組み合わせる事で更に作業の効率化が図れています。
ネットワーク型RTKのメリット:
- インターネット回線さえあればどの場所でもUAV測量が可能。
- 固定局の設置が不要な為、基準点の近くから離陸する必要がない。
- 現場測量もネットワーク型RTKを使用している為、UAV用に追加契約する必要が無い。
- 基準局設置と同様に撮影写真に正確な位置情報が記録され次回も全く同じ位置、アングルで撮影可能。
弊社では今後も写真測量でUAVとネットワーク型RTKを活用する予定です。また、同じ仮想点方式の後処理データの利用についても評価を行いたいと考えています。
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