簡易的なGNSSスキャナーを活用した現場調査

株式会社 近代設計 様

所在地
東京都千代田区鍛冶町1丁目9番16号 丸石第2ビル
URL
https://www.kindai.co.jp/

概要

 近代設計は社会インフラ、特に、道路・橋梁・共同溝・無電柱化・下水道等の分野について、企画・計画、調査・設計から施工管理に至る整備・維持管理に係る調査・補修設計、施設データ管理システム等の支援業務に技術サービスの提供を行っています。

 調査・設計業務にて現場調査を行います。基本的には現地に赴き、設計に必要な現地状況の計測と写真撮影を行います。
 事前に計測対象や写真撮影内容について準備を行い現地調査するのですが、計測漏れや追加要件による追加調査、後工程での気づきなどから、さらに現地の情報が必要になるケースもあります。
従来であれば再度現地に向かい再調査を行うのですが、簡易的なGNSSスキャナーを使用することで、3D点群として現地状況を取得しておけば再調査の必要もなく、業務効率化が測れると考えました。

作業概要

 今回は橋梁設計のために、現地調査を行います。
LiDAR対応したスマートフォンに専用のアプリケーションをインストールし、対応したGNSSレシーバーを準備します。アプリケーションに高精度測位サービスを設定し、観測現場に向かいます。

 まず現場にてGNSSレシーバーを任意位置に設置し(標定点設置)、スマートフォンのカメラを使って認識させます。その後、橋脚躯体や周辺をスマートフォンで撮影する(なぞる)ことで、LiDARを使って点群を取得していきます。
一定範囲を観測した後に、定期的にGNSSレシーバーを再設置、観測を繰り返します。

 観測が終わりましたら、クラウド上にデータがあるため現場のPCにダウンロードし、3D点群の確認を行いました。帰社後内作作業にて、地形モデルを作成しました。

標定点設置
スマートフォンによる観測

結果/導入メリット

 3D点群が容易に取得することができ、計測した長さも3D点群上で再現できました。
また現場は他社が事前にドローン測量を行っており、ドローン測量を行っていない部分を補足するようにスキャンを実施したところ、ドローン測量の成果座標値に合致する形で、3D点群を取得することができました。
 利用する高精度位置情報サービスの選択の際、測量業界で多く実績のあるジェノバ社のサービスを利用したことが、より高精度な観測結果かつ、他の成果との整合性がとれた点に寄与していると考えております。

 今回は簡易的GNSSスキャナーを試験的に導入することで、現地調査の効率化を探った結果、実現の目途は立ったと考えております。
初回の作業自体は手間取りましたが、習得は容易で、経験の浅いメンバーでも対応することが可能です。また、点群データが軽く現場のPCにダウンロードすることで確認できる点も良かったです。
このことから熟練者が現地調査する必要もなく、かつ多くの情報を取得することができることから、作業の効率化が期待できます。

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