MaaS実証実験でのネットワーク型RTKサービスの活用

KDDI 様、徳島バス 様、アクアビットスパイラルズ 様

概要

徳島県内の距離区間制を採用するバスでは、整理券方式 による支払いは現金および回数券となっています。バス事業者が交通系ICカードによる運賃支払いに対応するためには、初期導入や維持コストが多く発生します。また、外国人観光客は整理券方式による運賃支払いに馴染めないことからもキャッシュレス化は喫緊の課題です。

本課題に対して、ネットワーク型RTKによるバスの位置情報から運賃を自動計算し、近距離無線通信 (以下 NFC) プレートへスマートフォンをかざして区間精算を行う実証実験(以下、本実証実験)が2021年10月~12月の期間に行われました。

本実証実験では、バスのリアルタイムの安定した高精度位置情報が必須となり、測位手段に当社のネットワーク型RTKサービスが採用されました。

<本実証実験のイメージ>

作業概要

運賃計算システム、バス運行サービス、NFCプレート決済システム、高精度位置情報の組み合わせにより、バス運賃の自動計算およびクレジットカードでのキャッシュレス決済サービスを実現しました。

[1] 徳島バスの鳴門郵便局前バス停から鳴門公園バス停までの区間を走るすべてのバスに高精度位置測位を行うアンテナを設置し、当社のネットワーク型RTKを活用して、バスの正確な位置情報を把握しました。

[2] お客さまがバスの乗降時に、バス車内に設置したNFCプレートにスマートフォンをかざしていただくことで、クラウドシステム上にて[1]で測定したバスの位置情報と連携し、乗車バス停、降車バス停を推定しました。

[3] 乗降車したバス停情報から区間運賃を計算し、登録されたクレジットカードから運賃の引き落としを実施しました。

[4] クラウドサービスを活用したシステムのため、初期導入や維持にかかるコストの低減が可能です。

[5] Felicaを搭載しないスマートフォンをお持ちのお客さまや交通系ICカードを持たないお客さまも、事前にクレジットカードを登録いただき、バス車内でスマートフォンをかざすだけでバス運賃の決済が可能です。

<バスに設置した高精度位置測位アンテナ>
<「バス スマホタッチ」支払いの様子>

結果/導入メリット

当社が採用している仮想点方式で生成する位置情報は高精度かつ安定しているため、車内にアンテナを設置などの厳しい制限がありましたが、高精度測位により運賃の正しい計算結果を得ることができました。当社ネットワーク型RTKサービスは、基準局を仮想的に生成する方式のため、物理的な基準局を利用者が設置・運用する方式に比べ、初期導入コスト・維持コストを抑えて運用することが可能です。

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