ドローンUAVの産業利用の状況

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ドローン、UAVの産業利用の状況

ドローン、UAV(Umanned Aerial Vehicle)は、従前よりあった有人の小型飛行機、ヘリコプターに比べ、無人飛行、小型、軽量、低コストであることから、高所での作業をはじめ、災害で被害のあった有人探査が危険な地域での調査、狭所での作業に対応します。
無人機は、ラジコン飛行機やヘリコプターもありましたが、ドローンは前者に比べ操作支援が優れており、さらには作業指示を設定することで自律的に作業を自動的に繰り返し行わせることも可能です。

このような特長を持ち、コスト面においても導入しやすいことから、各産業界において普及や導入検討が進んでおり、2020年度の日本国内市場は1841億円と推測され、前年比31%増と高い成長を遂げています。

市場規模(UAV機体+サービス+周辺サービス) 単位:億円
引用:ドローンビジネス調査報告書2021(インプレス総合研究所)

現在は、ドローンは操縦者が目視できる範囲で手動あるいは自動で飛行していますが、将来的に目視外・自動飛行(レベル4)ができるよう環境の整備も進んでいることから、新たな業務に導入検討や、実証実験が精力的に行われており、2025年には市場が2020年の3倍以上になると見込むかたもいらっしゃいます。

ドローンの用途

現時点でのドローンの主な用途は、「運搬・散布」「撮影」と言えます。

「運搬・散布」については、ドローンに荷物を運ばせることや、搭載した農薬等を散布することに利用されています。運搬に関しては物流分野への応用が期待でき、過疎地(買い物困難地区)や車両が入れない山間部などへの物品の配送から、医療品の緊急配送など社会課題の解消にも資するのではないかと期待されています。

散布については、農業における農薬散布のイメージが強いですが、肥料散布、播種、受粉や同様に水産業の養殖における餌の散布、鳥獣害対策における餌の散布による誘導などへの応用も検討されているようです。

「撮影」については、ドローンにカメラを搭載することで高所や、人では撮影できない場所の映像を入手することができます。さらには、搭載するカメラを用途に応じて変更することで、撮影の精度を高めることや、違った用途に利用することができます。(赤外線カメラ、レーザースキャナなど) 撮影の用途では点検や警備に活用され、特に屋根などの高所の点検、社会インフラの点検、災害地の状況把握などに利用されています。さらに、撮影した画像を解析することで、例えば林業などで、電線に触れそうな樹木、害虫被害にあっている樹木の特定をすることで、被害拡大の防止をすることができます。

ドローンにはGNSS機能が搭載しているモデルがあり、同モデルにおいて衛星から位置情報を求めることができ、写真に位置情報を付与することができます。この機能を利用することで、写真から地表の3Dマップを作成し、距離や面積、土量などの体積を求めることができ、土木建設業における測量や、前回撮影した状況との差分などで作業の進捗把握することができます。 これを応用することで、農業における作物の育成管理や、産廃処理における廃棄物のボリューム確認、廃棄処理の状況把握などに活用されています。

ドローンの法規制

ドローンの普及に伴い、法規制が整備されてきており、ドローンを利用する関連での法規制としては、「航空法」「小型無人機等飛行禁止法」があります。

航空法においては、飛行場所によらず(私有地内であっても)、以下のような「禁止エリア」「飛行ルール」といった条件下でドローン利用が制約させることになりました。(但し国土交通省より特別な許可を得た場合は除く)

  • 禁止エリア
    • 空港周辺
    • 150m以上の上空
    • 人家の密集地域
  • 飛行ルール
    • 飲酒時の飛行禁止
    • 飛行前確認
    • 衝突予防
    • 危険な飛行禁止
    • 日中での飛行
    • 目視の範囲内
    • 距離の確保(30m未満)
    • 催し場所での飛行禁止
    • 危険物輸送の禁止
    • 物件投下の禁止

禁止エリアについては、「小型無人機等飛行禁止法」にて定められている重要施設(国政機関、防衛関係施設、原子力事業所など)の周囲300mも飛行が制限されます。 さらに、寺院、神社、公園などの飛行は、地方自治体の条例により禁止されています。

航空法においては、今後の無人機による飛行の安全を確保し活用を広げるために、無人航空機飛行の登録制度を進めており、所有者の把握ができるようになりました。

また、ドローンの機体は無線で操作することから、総務省より適正な電波利用をしている「技適マーク」が付いている機器の利用を義務付けています。

各産業利用については、上記法規制に加え各業務に対応したルールの整備が進められており、ドローンの利活用の推進に伴って、アップデートが進んでいます。

当社サービスを使ったドローン活用事例の紹介

前述の「撮影」用途において、写真に位置情報を付与すると記載させていただきました。
ドローン機体にGNSS機能があった場合、ドローン単体が衛星から位置情報を取得するのですが、その精度は皆さんのスマートフォンの地図アプリなどで位置を取得する精度に近く、実際の位置から2~5m程度離れてしまう場合もあります。精度の悪い情報を基に、3D地図を作成して、距離や面積、土量などの体積を求めても、業務に利用できないケースも考えられます。
当社の「高精度GNSS補正情報配信サービス」は、ドローン単体で取得した位置情報を補正するデータを配信することで、センチメートル級の精度を実現することができます

GNSS補正情報によるメリット例

これにより、地図の作成や3D地図から正確な距離、面積、体積を求めることができ、さらには点検における詳細位置の取得、自動航行時の位置情報取得(例えば農薬散布する畑の位置を取得、物流のためのヘリポートへの誘導)など、様々な用途に対応することができ、ドローンによる産業利用の幅が広がります。

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