メールマガジンバックナンバー(お問合せ)
- 2021年4月号「サービス地域外のご利用方法」
- 2021年5月号「利用可能な衛星について」
- 2021年6月号「補正情報配信サービスは皆同じ?」
- 2021年7月号「測位の状況を知りたい」
- 2021年8月号「電子基準点RTK」
- 2021年9月号「仮想点後処理データ」
- 2021年10月号「他の測位方法(RTK方式)との違いとは」
- 2021年11月号「当社ネットワーク型RTKの特長」
- 2021年12月号「ジェノバPPK向けサービス」
- 2022年1月号「よくある「仮想点データ」の質問」
- 2022年2月号「車両観測でのお問い合わせ」
- 2022年3月号「海上での計測について」
- 2022年4月号「衛星飛来予測ツールのご紹介」
- 2022年5月号「WEBサイトについてお問い合わせ」
- 2022年6月号「ジェノバサービスのアップデート事項について」
- 2022年7月号「J-View新機能について」
- 2022年8月号「高精度測位に必要なもの」
- 2022年9月号「VRSが利用できない時は」
- 2022年10月号「専用通信端末のアップデート」
- 2022年11月号「J-View活用マニュアルできました」
- 2022年12月号「会員サイト機能について」
- 2023年1月号「しばらく使っていなかった測器を使う」
- 2023年2月号「CPTrans_MJWの特長」
- 2023年3月号「電子基準点の状態を確認する」
- 2023年4月号「WGS84?JGD2011?」
- 2023年5月号「マウントポイントについて」
- 2023年6月号「インターネットが使えない地域」
- 2023年7月号「国外・基準点網外でのVRS利用について」
- 2023年8月号「VRSを行うための通信と通信量について」
- 2023年9月号「セミダイナミック補正について」
- 2023年10月号「サービス利用時間について」
- 2023年11月号「衛星・電子基準点の状況について」
- 2023年12月号「このIDは誰が使ってどこにいるの?」
- 2024年1月号「この場所でVRSは使えるの?」
- 2024年2月号「JENOBAサーバとの通信頻度について」
- 2024年3月号「能登震災地区での測位について」
- 2024年4月号「FLOATからFIXにならない件」
- 2024年5月号「ネットワーク型RTKとは」
- 2024年6月号「無償アプリ「J-View」について」
- 2024年7月号「接続時間の事故例」
- 2024年8月号「単点RTKとNW型RTKの観測の違い」
- 2024年9月号「RTKとPPKの測位結果は同じか」
- 2024年10月号「古いGNSS受信機が利用できない理由」
- 2024年11月号「専用通信装置CPTransとは」
2021年4月号「サービス地域外のご利用方法」
■サービス地域外のご利用方法
よく「この地域で利用できるのか?」「利用できない地域で他の方法はないか?」というお問合せをいただきます。
当社の仮想基準点方式サービスは、原則国土地理院の電子基準点に囲まれている地域、かつネットワーク通信ができる地域で提供可能となっています。
では、サービス地域外の計測はどうしたらよいのか。
場合によっては以下のような計測方法を検討してはいかがでしょうか。
~~離島などで電子基準点がある場合~~
離島に1カ所だけ電子基準点が整備されているケースがあります。
その場合は、「電子基準点RTK」サービスを利用して計測できます。
電子基準点RTKは国土地理院の電子基準点を既知点として、相対測位を行う方法です。
リアルタイム配信サービスの契約範囲内でご利用することができ、マウントポイントを「JRR3*」に設定することで計測できます。
1点ご注意いただきたいのは、電子基準点から10kmより離れると、精度低下が顕著になるのでご留意ください。
~~ネットワーク通信ができない地域の場合~~
ドローン測量であれば、ネットワーク通信なく計測することができ、計測後の解析時に「後処理データ」を利用することで、位置を求めることができます。
また、リアルタイム計測で通信するデータ量が多くないため、衛星電話をご利用しようと試みたユーザー様もいらっしゃいます。
衛星電話での通信については、理論上実現できそうですが、実例があまりなく、実績が確認できたらお伝えできるようにしたいと思います。
2021年5月号「利用可能な衛星について」
■利用可能な衛星について
日本において衛星測位に利用可能な衛星は、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS(グロナス)、EUのGalileo(ガリレオ)、日本のQZSS(みちびき)、中国のBeiDou(ベイドゥ)があります。
当社サービスは、GPS、GLONASS、Galileo、QZSSを利用することができます。
IP接続(Ntrip方式)であればマウントポイント(JVRやJRRで始まる記号、RTK処理、データストリーム、設定ポイント等)を変更することで利用可能です。
専用通信機器(CPTrans)をご利用の方は、機器の設定を変更することが可能です。
専用通信機器の場合は、機器により弊社側に設定変更を依頼が必要になることもあります。
一点ご注意いただきたいのは、お持ちの受信機の仕様としてGalileo、QZSSが利用できないケースがありますのでご確認ください。
~~中国のBeiDou(ベイドウ)は使えないのですか~~
現状は対応していません。
理由としては、当社のサービスは国土地理院の電子基準点を利用していますが、電子基準点がBeiDouに対応していないためです。
※測量法に基づく測量はBeiDouを利用できません
~~衛星の数や種類が多いと、何が良くなるのですか~~
メリットとしては、衛星測位に使える衛星数が多くなることから、間違いなくFixが早くなります。
また、衛星配置(DOP)が良くなり、精度向上が期待できます。
逆にデメリットとしては、各国の衛星システムが異なることによる処理の複雑さや、悪条件の衛星情報を拾ってしまうことで、精度劣化するケースも発生します。
そのため、必ずしも補足衛星数が多ければ良いというわけではありません。
2021年6月号「 補正情報配信サービスは皆同じ? 」
■補正情報配信サービスは皆同じ?
金額も含めて特長もそれぞれ違いますので、用途目的に合わせて選定いただければと思います。
料金以外の選定ポイントについて、次の点が考えられます。
〇基準点が「実体のある基準点」(実基準点)か「仮想基準点」か高精度な位置を求めるために、各社基準点を使用し、基準局から相対的な位置(座標差)を計算します。
そこで、基準局と観測点で受信した信号を合わせて解析することで、いろいろな誤差を消去して、高精度の位置を求めることができます。
〇基準点との距離、基準点の数
補正情報配信サービス(ネットワーク型RTK)においては、近くに基準点があることが望ましいとされています。
実基準点については、多数基準点が設置されていれば、近くに基準点が存在する可能性高くなりますが、近くに存在しな場合は精度が安定しない原因にもなります。
仮想基準点については、観測者の近傍に仮想点が生成されるため精度は安定しますが、仮想点生成の元データになる電子基準点の配置、利用点数などが精度に影響します。
〇補正結果が国家座標に準拠するか
国家座標を利用するしないも選定のポイントです。
今月のトピックスにも取り上げましたが、観測結果を公共作業等に使う場合は、補正して国家基準点に準拠しないといけません。
そのため、使用する基準点の座標が法律に基づいているものか、チェックが必要です。
〇対応している衛星システムの種類
日本において衛星測位に利用可能な衛星は、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS(グロナス)、EUのGalileo(ガリレオ)、日本のQZSS(みちびき)、中国のBeiDou(ベイドゥ)があります。
対応している衛星システムが多いほど、多くの衛星を利用することができ、素早いFixが期待できます。
2021年7月号「測位の状況を知りたい」
お問合せで「測位状況を知りたい」といったお話しを伺います。
測位できないのは、測器の問題か、通信の問題か、配信情報の問題か、まず問題を切り分けてみてはいかがでしょうか?
■測位状況の確認にJ-Viewを活用、サーバ側の情報を確認できます
弊社の観測支援アプリ「J-View」を使って、現在の観測状況を確認することができます。(利用料無料)
このJ-Viewは、計測している機器と接続して情報を表示しているのでなく、弊社サーバに接続して、サーバ側から見た観測状況を表示してます。(つまり現場にいなくても、現状の観測状況が確認できます)
これを利用すると、以下のようなことが考えられます。
~「データが届いていません(未接続)」が表示される~
測器は単独で衛星から概算の位置情報を取得し、弊社サーバに送付しようとします。
この表示の時は、弊社サーバに概算の位置情報が届いていないことになりますので、通信がつながっていない、測器がNMEA、GGAデータを発信していないと、問題を切り分けることができます。
2021年8月号「電子基準点RTK」
お問合せや打合せの中で、弊社サービスを契約の範囲内で、電子基準点RTKを行うことができることを知らないかたが多いようです。基本的にVRSが使えれば、利用シーンも少ないと思いますが、場合によっては有用ですので、ご紹介いたします。
~電子基準点RTKとは~
電子基準点RTKは、観測地点最寄りの電子基準点の実観測データを使った補正データを受信機に配信し、観測機器側で解析(基線解析)することで、高精度な位置情報を求めることができます。
利用している電子基準点は観測開始時に1点取得し、観測終了するまで利用します。
VRSは電子基準点に囲まれている地域が有効ですが、囲まれいない地域の観測で、近隣10kmに電子基準点がある場合において有効です。
特に、島しょ部の観測にご利用されている方が多いです。
~電子基準点RTKの設定方法~
・NTrip方式
Ntripの設定でマウントポイントを「JRR~」で始まるマウントポイントを選択してください。
マウントポイントは、以下ページを参照ください。
・CPA方式
CPTrans本体に銀色のシールが添付されており、「電子基準点RTK」と記載された欄をご確認ください。
対応する衛星が記載された記号を、底面のロータリースイッチで設定一度電源を切って、再度電源を入れることでご利用になれます。
~電子基準点RTKを利用しているか確認する方法~
実際、電子基準点RTKを使用しているか確認する方法の1つとして、「J-View」を使用した確認ができます。
J-Viewの観測画面に「電子基準点RTK」と表示されます。
2021年9月号「仮想点後処理データ」
今回は先日ドローンユーザー様にお話しを伺った際、仮想基準点の後処理データをご存じなかったので、ご案内したいと思います。
ドローン測量のユーザー様はよくPPK(Post Processing Kinematic・弊社では”後処理解析”と呼んでおります)を行っており、その際に電子基準点RINEXデータをご利用になっていると思います。
もし、計測時に標定点(既知点)を立てていらっしゃるようでしたら、是非弊社の「仮想点RINEXデータ」をご利用になってはいかがでしょうか。
標定点(既知点)の位置を(緯度経度・楕円体高)、仮想点の位置として入力するのと、計測した時間帯を入力いただき、弊社会員サイトよりダウンロードすることでデータ入手することができます。
(有償、1分あたり40円になります)
上記ダウンロードしたデータを利用することにより、計測場所近隣にある標定点を基準局にした補正をすることができ、遠方単一の電子基準点データを使用したケースに比べ、周囲の電子基準点で補完されますので、後処理の写真やレーザー点群の整合誤差が非常に少なくなります。
また仮想点データは電子基準点を基に作成しているため、国家座標(測地成果)にも整合します。
※測量法に基づく作業の場合は、作業規程の準則(公共測量作業規程)、マニュアル等に従ってください。
先日訪問したユーザー様にも実際使っていただき、非常に好評でした。
是非ご活用ください。
2021年10月号「他の測位方法(RTK方式)との違いとは」
RTK方式においては、基準局の種類について特長が違ってきます。
今回は、特長の違いについて解説いたします。
実際に基準局をご自身で設置して計測する場合を「実RTK」、電子基準点を基準局として計測する「電子基準点RTK」、仮想点を基準局として計測する「仮想点RTK」のメリット、デメリットは以下の通りです。
■実RTK
メリット
・基準局周辺に障害物がなく、観測点が近傍の場合は非常に安定する。
デメリット
・基準局の機器が必要、機器の性能にも精度が依存。
・設置作業(設置位置の選定)、基準局の維持管理等を有識者が行わな
いといけない。
・基準局との移動局の距離が長くなると精度劣化する。
■電子基準点RTK
メリット
・電子基準点の観測データが高精度のため、高い観測精度が期待できる。
デメリット
・電子基準点から離れるほど、精度やFix率に影響がでる。
・電子基準点が停止している場合は、利用できない。
■仮想点RTK
メリット
・電子基準点のデータを基に、近傍の基準局を作成しているため、
高精度かつFix率も安定する。
・1部であれば電子基準点が停止していても利用できる。
デメリット
・電子基準点網から離れるほど精度やFix率に影響がでる。
・ネットワーク解析できない場所では、利用できない。
2021年11月号「当社ネットワーク型RTKの特長」
今回はネットワーク型RTKの説明を特集にさせていただいたので、同方式のサービスを行っている弊社の特長をご説明します。
■地殻変動補正(特許第5832050号)
日本国内においては、複雑な地殻変動が常に発生しています。
衛星測位をすると現時点の位置が計測されます。この位置は過去情報で作成された地図とは、地殻変動の影響もあってずれています。
そのため当社では地殻変動量を計算して、補正を行っております。
■国家座標に準拠
国としての位置の基準とする座標を「国家座標」と言います。
公の地図は、国家座標に準拠しています。
当社のネットワーク型RTKは、国土地理院の電子基準点の位置を基準にしている(あるいは電子基準点データを基に仮想点を生成している)かつ、上記地殻変動を補正することで、国家座標に準拠した計測結果を得ることができます。
■ハンドオーバー
仮想点については、計測点が離れれば離れるほどに、点間の距離が長くなってしまい、点間が10kmを超えるにつれて影響が出てきます。
そこで点間10kmを超えそうな頃に、再度仮想点を生成して点間距離の影響を出さないようにしています。これをハンドオーバー機能と言います。
■24時間観測データの監視
当社は365日24時間の電子基準点のデータをリアルタイムに受信し状況を監視しており、例えば電子基準点のメンテナンス等で一時的に停止した場合や、状況が悪化した対象電子基準点を外して運用するなど、データ精度の品質を担保しています。
2021年12月号「ジェノバPPK向けサービス」
今回は後処理キネマティックに触れましたが、当社では以下のような後処理データ配信を行っていますので、ご案内いたします。
■「電子基準点データ」と「仮想点データ」
後処理データは、当社では2パターンのデータを用意しています。
1つは電子基準点を基準点としたデータ。
(実際は電子基準点の概算位置になります)
もう1つはユーザーが位置を指定して、その場所に仮想的な基準点を作成したデータ【仮想点データ】を提供しております。
基準局から観測位置が離れれば、離れるほど誤差の補正が難しくなりますが、仮想点データであれば近傍位置を指定することで、高精度な位置情報を算出することができます。
■国家座標に準拠(仮想点データは地殻変動補正)
国としての位置の基準とする座標を「国家座標」と言います。
公の地図は、国家座標に準拠しています。
当社の後処理データ【仮想点データ】は、国土地理院の電子基準点を基準にしている、かつ地殻変動補正することで、国家座標に準拠した計測結果を得ることができます。
■仕様
・電子基準点データ
フォーマット:Rinex ver2.11、3.02
対応衛星:GPS、GLONASS、QZS、Galileo(E5b、E5 Altboc対応)
・仮想点データ
フォーマット:Rinex ver2.11
対応衛星:GPS、GLONASS
・共通
取得可能な期間:過去6ヵ月迄
データ間隔(エポック):1/2/5/10/15/20/30/60秒
■入手方法
当社サービスプランのどのプランでも、入手可能です。
当社会員サイトにログイン、「仮想点データ」「電子基準点データ」を選択し、画面に必要な条件を入力して、ダウンロードください。
本サービスは有償となり、1分あたり40円になります。
※12月1日9:00-10:00に観測、60分の補正データをダウンロード
→60分×40円=2,400円
2022年1月号「よくある「仮想点データ」の質問」
今回仮想点データについて、よくあるお問合わせ内容をご紹介します。
★仮想点データの位置は、既知点でないといけない?
★基準点の代わりになるの?
仮想点データ位置を、既知点位置に作成する必要はありません。
あくまでも計測点の位置を求めることが目的ですので、計測点の近傍であれば問題ありません。
また、基準点の位置を入力して作成した仮想点データは、基準点の観測データとは合致しないので、基準点観測の代替にはなりません。
★仮想点データの楕円体高は正しく入力しないといけない?
★そもそも楕円体高って何?
地球本体は球体ですが遠心力の影響で、楕円体になると見立てたとき、楕円体高は、楕円体表面と計測位置の鉛直方向の距離になります。
(楕円体の上に海や陸地があると考えてください、楕円体表面から海面までの高さをジオイド高と言います。ちなみに楕円体高さからジオイド高を引いたものが「標高」になります)
仮想点データ作成時に入力する楕円体高を0mと入力し、山岳地帯(例えば標高2000m)での計測位置を求める場合、基準局から高さ方向で2kmも離れてしまうため、たとえ近傍の水平位置に仮想点を生成しても、解析精度への影響が懸念されます。
そのため楕円体高の入力については、ピッタリでなくても近しい数字が望ましいです。
★1秒間隔データのメリット
★なぜドローンなどの移動体に有効なのか
移動体の計測をする場合、連続して計測結果を出力します。
位置を求めるの際、実際に出力した時間と、補正データの時間差を小さくすることで、高い精度で位置を求めることができます。
例えば航空写真測量などでは30秒データを利用することが多いのですが、1秒データを利用することで安定した解析が期待できます。
★計測が終わったが、データがすぐダウンロードできない
後処理データは電子基準点が取得したデータを解析して作成するため、すぐには提供できません。
60分ごとにファイルを保存しますので、60分から90分経過した後にダウンロード可能となります。
2022年2月号「車両観測でのお問い合わせ」
車両での観測で、観測はできたが結果が良くないケースについてご相談を受けます。
お問合わせを受けた事象についてご紹介します。
●ビルの狭間や、山岳地帯のカーブが多い道路を走行
ビルの狭間を走行し交差点で曲がった時、山岳地帯で側面が崖や壁面になっている道で急カーブを曲がった時、FIXでなくなってしまうことがあります。
これはFIXしたときに捉えていた衛星が、曲がることで車両の向きが変わり、衛星がビルや壁面によってに見えなくなることでFIXでなくなってしまう事象と思われます。
車両の向きが変わった後に、再度衛星を捕捉し始め再びFIXします。再FIXの早さについては、受信機の性能と受信環境(衛星状況)によります。
曲がっている途中にFIXでなくなり、その状態を引きずってしまうケースもありました。可能であれば、曲がり終わった後、一時停止や徐行を行い、FIXした状態で走行再開いただければと考えます。
●鋼製の柱、ゲートが近傍にある道路を走行
衛星からの配信データは微弱で、近傍に鋼製の柱が連続していたり(照明の電柱など、アンテナより高い位置にあるもの)、ゲートの下(標識や案内板、歩道橋)をくぐると、配信データが受信できないケースがあります。
2022年3月号「海上での計測について」
海上でVRSや他のサービスが利用できるか、お問い合わせいただきます。
今回は、海上での計測についてまとめてみました。
●まずは、海上でインターネット通信できるかご確認ください
観測にご利用になる通信機器、携帯キャリアが、インターネット通信可能なエリアかご確認ください。通信可能なエリアの場合、VRSや電子基準点RTKなどがご利用になれます。
通信できない場合は、後処理方式を検討してみてはいかがでしょうか。
●東京湾など、電子基準点に囲まれている海上は問題ありません
海上の観測位置が、電子基準点3点に囲まれている場所であり、インターネット通信ができるのであれば、VRSの利用が可能です。
●電子基準点2点の線上で外洋側での観測
電子基準点3点には囲まれていないが、2点の電子基準点の線上にある場合、線から10km以内であればVRSの利用が可能です。
(10kmから離れてるにつれて精度が劣化します)
●電子基準点に囲まれていない、線上でもない位置での観測
VRSの利用は難しいと考えます。
半径10km以内に電子基準点がある場合、マウントポイントを切り替えることで、電子基準点RTKをご利用になってはいかがでしょうか。
(離島での観測などに有効です、前述と同様に10kmから離れるにつれて精度が劣化します)
●ご契約ユーザー様向けサービス
会員サイトにログイン後に、「サービスエリアマップ」が閲覧可能となっておりますので、VRSの利用可不可についてはご確認いただくことができます。
2022年4月号「衛星飛来予測ツールのご紹介」
観測したがなかなかFIXしない、何か原因があるのかというお問い合わせをいただきます。
さまざまな要因があると考えられますが、観測時の衛星数やDOP値(Dilution of Precision)を参考にしてみてはいかがでしょうか。
●衛星数
位置を求めるにあたり、最低でも衛星数は4つ必要になります。
観測位置が開けた場所であればよいのですが、建物や樹木などで衛星の信号が遮られるケースは多く、その場合は遮られない位置の衛星を確保しなければなりません。
そのため、多くの衛星が利用できる環境(衛星数が多い状況)のほうが、観測に使用できる衛星の選択枝が増えるため、観測に有利です。
●DOP値
天空の衛星配置による測位精度の低下率を数値で表したものです。
衛星数が多く衛星配置のバランスが良いと、数値が下がります。
また、DOP値も以下のような、種類があります。
GDOP:幾何学的精度低下率
HDOP:水平精度低下率
PDOP:位置精度低下率
RDOP:相対精度低下率
TDOP:時刻精度低下率
VDOP:垂直精度低下率
●「衛星飛来予測」ツールをご活用ください
弊社WEBサイトにて「衛星飛来予測」ツールがご利用になれます。
(誰でも無料でご利用になれます)
本ツールでは、観測する日時・場所の衛星数や、DOP値がご確認することができます。
事前に観測状況をご確認いただき、衛星数が多く、DOP値が少ない時間帯を選んで観測してみてはいかがでしょうか。
2022年5月号「WEBサイトについてお問い合わせ」
WEBサイトについて、お問い合わせがありましたので、内容について共有させていただきます。
旧サイトからアクセス方法が変更になった部分もあり、以前からご活用されているユーザー様には、ご不便をおかけしております。
Q.トップページから「衛星飛来予測」ツールがアクセスできなくなった
A.以前は「衛星飛来予測」ツールのショートカットがトップページにございましたが、現在は従来より設置させていただいる「お客様サポート」ページにございます。
☆衛星飛来予測ツール
https://my.jenoba.jp/pas/planning/planning.html
Q.マウントポイントの一覧などが知りたい
A.ご利用方法ページに掲載しております。
☆ご利用方法
https://www.jenoba.jp/how/
また、「よくあるご質問」「用語解説」も見直しをいたしましたので、ご活用いただけると幸いです。
☆よくあるご質問
https://www.jenoba.jp/support/faq/
☆用語解説
https://www.jenoba.jp/dictionary/
2022年6月号「ジェノバサービスのアップデート事項について」
展示会にて弊社ユーザー様より、サービスで何か変わったことがあったかご質問を受けます。会場のかたには以下2点について、アップデート事項としてご紹介いたしました。
1)Galileo E5b及びAltBOC信号の配信開始
弊社のリアルタイム配信、後処理データ(電子基準点データ)においてこれまでGalileo配信信号はE1、E5aでしたが、 E5bとAltBOCを追加しましました。
これにより、Galileoを使用した測位において以前に比べ早いFIXが期待できます。
2)現場観測支援ツール「J-View」バージョンアップ
ご契約者向けに無料で、現場観測支援ツール「J-View」を提供しております。本ツールは、ネットワーク型GNSS観測観測状況を、お手持ちのスマートフォン、タブレットでご確認いただけるアプリケーションです。
詳しくは、以下本ページをご確認ください。
2022年7月号「J-View新機能について」
先日、現場観測支援ツール「J-View」がバージョンアップしました。
今回は追加機能について、具体的に説明させていただきます。
【追加機能1】IDメモ機能
J-ViewのログインIDは、リアルタイム配信契約のIDとなりますが、複数IDをお持ちのユーザー様において、IDが記号の羅列のため、どのIDをどの機器にセットしているか分からないとのことでした。
そこで、対象IDがどの機器へセットしているなど、メモが書けるようにいたしました。
メモはJ-Viewのデータベースでなく、アプリケーション内に保存しておりますので、J-Viewをアンインストールしてしまいますと、消えてしまいますのでご注意ください。
【追加機能2】お知らせ機能、通知機能
次のメンテナンスがいつになるかなど、簡単に把握したいとの要望があり、J-Viewホーム画面に、ジェノバの最新のお知らせ、運用情報を掲載するようになりました。
またスマートフォンならではの機能として、弊社からのお知らせを通知することもできるようにしました。
通知機能ですが、不要な場合は設定画面のJ-Viewメニューから、通知OFF設定することができます。
【追加機能3】最終観測位置表示
弊社サービスを使用した、一番最後の測位状況について表示します。
これは対象IDの機器が再度いつ、どこで使われたか確認するだけでなく、設定変更したことで機器が弊社と接続できていない状態の場合、いつ時点の設定だった時、接続できていたか確認することにもご利用になれます。
J-Viewは皆様の測位にお役にたてるツールとして、進化させてまいります。
引き続き、よろしくお願いいたします。
【参考】弊社サイト
https://www.jenoba.jp/news/13020/
2022年8月号「高精度測位に必要なもの」
これからリアルタイム測位を行うにあたって何が必要なのか、お問い合わせをいただきます。
そこで今回は「測量」と「ドローン」のケースでご紹介いたします。
(NTrip利用を前提に紹介いたします)
■測量
・アンテナ、GNSS受信機、データコレクター(コントローラー)
・ネットワーク通信環境(Wifiルーター、携帯電話のデザリング等)
・配信サービス
まず2周波以上対応するアンテナとGNSS受信機が必要です。
最近は、アンテナとGNSS受信機が一体型になっている機器が多いです。
GNSS受信機と接続するデータコレクター(コントローラー)も必要です。
上記は、タブレットやスマートフォン端末を利用するケースも増えてまいりました。
補正情報を取得するために、インターネット回線で通信する必要があります。そのためWifiルーターや携帯電話などをご用意ください。
機器が揃いましたら、配信サービスに申込いただき、申込後に送付する設定情報をデータコレクターより設定(NTrip設定)することで、ご利用になれます。
■ドローン
・RTKサービス対応ドローン、ドローンのプロポ
・ネットワーク通信環境(Wifiルーター、プロポに挿すSIM等)
・配信サービス
リアルタイム測位を行うためには、RTK機能のあるドローンをご用意ください。ドローンのプロポからWifi経由、あるいはプロポに挿したSIMから、インターネット接続し、データ連携することで補正情報を取得します。
機器が揃いましたら、配信サービスに申込いただき、申込後に送付する設定情報をプロポから設定(NTrip設定)することで、ご利用になれます。
【RTK機能のないドローンについて】
RTK機能のないドローンについては、「後処理解析」を行うことで観測結果を、後処理解析ソフト上で補正することができます。
(後処理解析ソフトは別途ご用意いただく必要がございます)
補正の際に後処理データ(RINEXデータ)を利用します。同データは国土地理院よりダウンロード、あるいは弊社のダウンロードサービス(有償)をご利用ください。
リアルタイム測位において、測量・ドローンいずれも、機器がつながっているか、データ連携しているか等の確認は、弊社の無償スマートフォンアプリ「J-View」などで、確認することができますので、是非ご利用ください。
~~現場観測支援ツール「J-View」 無料でご利用できます~~
「J-View」のダウンロードは下記リンクへ(下部にQRコードがあります)
https://www.jenoba.jp/support/#anc-4
2022年9月号「VRSが利用できない時は」
ご契約いただいたユーザー様より、「VRSが急に利用できない」というお問合わせをいただきます。
まずは、以下2点をご確認いただけないでしょうか。
■通信(電話)の電波が届いているか
VRSは双方向通信ができないと、利用することができません。
ユーザー様より伺った例として、山中や国立公園など(通信機器が立てられない場所)は携帯やWiFiル―タ―が通信できず、VRSが利用できません。衛星電話などの通信などの方法もありますが、通信ができない地域での観測については、「後処理データ解析」等の手段もご検討いただければ幸いです。
■他の測器がアカウント利用中か
ユーザー様によって、1つのIDをGNSS測量器とドローンなどに設定してご利用になっているかたもいらっしゃいます。
この場合、GNSS測量器でIDを使用している時は、ドローンでは使用することができません。
ドローンを使用する場合は、GNSS測量器の接続を切っていただければ、ご利用になれます。
弊社アプリケーションの「J-View」を使えば、どこでアカウントが使われているかリアルタイムで把握することができますので、是非ご活用ください。
~~現場観測支援ツール「J-View」 無料でご利用できます~~
「J-View」のダウンロードは下記リンクへ(下部にQRコードがあります)
https://www.jenoba.jp/support/#anc-4
2022年10月号「専用通信端末のアップデート」
JENOBA専用通信装置「CPTrans」ですが、4月に新製品になっております。
新製品は、建設機械、農業機械、IoT機器、車両開発向けの製品となり、機器に組み込んで使用することを想定しています。
新製品になって、何が変わったのかご質問をいただくこともありますので、ご紹介したします。
CPTransはモデム+電話が一体となっており、特長は電源を入れるだけで直接JENOBAサーバーに接続されるため、ご利用機器に組み込むことで機器の電源を入れるだけで、簡単にリアルタイム配信がご利用になれます。
■JENOBA専用通信装置「CPTrans」とは
VRSは機器と弊社サーバが双方向通信ができないと、利用することができません。NTrip接続機能がある場合は、携帯電話やWifiモデムなどを使用してインターネットに接続して通信できますが、ない場合の通信手段として専用通信装置「CPTrans」をご用意しております。
また通信は閉域網を使っており、ユーザーとジェノバ直通の専用線のようなもので(IP-VPNサービス)、他ユーザーの通信に影響されない、セキュリティの高い通信でサービスを利用することができる点も特長です。(CPA方式)
■現行製品の特長(旧製品との違い)
・対応周波数帯が4倍
通信はKDDI 4G回線を使用しており、旧製品は800MHz帯(Band18)の対応でしたが、現行製品は上記に加え2.1GHz帯(Band1)、1.8GHz帯(Band3)、2.5GHz帯(Band41)にも対応するため、より安定した通信が期待できます。
・本体設定はWifi接続
旧製品は底部のロータリースイッチで、限られた範囲の中で設定変更できましたが、新製品はスマートフォン等でWifi接続を行い、配信データ種の変更や、ボーレート等の変更が可能になりました。
・選べるアンテナ
アンテナはコンパクトなスティックタイプと、高感度アンテナを用意いたしました。ご利用用途に合わせてご購入ください。
詳しくは、弊社営業部にお問い合わせください。
2022年11月号「J-View活用マニュアルできました」
弊社より無料で提供しているスマートフォンアプリ「J-View」。
さまざまな活用方法があり口頭や文書でご紹介するものの、なかなか分かりづらい部分もありますので、活用マニュアルを作成してみました。
是非、ご活用ください。
https://www.jenoba.jp/common/pdf/J-View_Practical_Manuals.pdf
2022年12月号「会員サイト機能について」
後処理データのダウンロードから弊社サービスの契約内容の確認など、弊社WEBサイトの「ジェノバ会員サイト」で行うことができます。
会員サイト:https://my.jenoba.jp/login
この会員サイトですが、他にも皆様の業務にお役立ちできる資料やツールも準備しておりますので、今回会員サイトのメニューについて概要をご紹介いたします。
■お客様情報-ご契約内容
○内容確認
現在のご契約内容を確認できます、ID、パスワードも確認できます。
○変更申込
現在の契約内容のほか、使用機種、担当者変更等も行うことができます。申請の際は、変更しない箇所はそのまま、変更箇所だけ記入して申請ください。
○解約申込
ご契約の解約申込ができます。
■後処理データサービス(有償)
○仮想点データ
任意の位置に基準局を設置した場合の後処理データをダウンロードできます。
○電子基準点データ
選択した電子基準点を基準局にした場合の後処理データをダウンロードできます。
■観測サポート情報
○サービスエリアマップ
ジェノバのVRSが使用可能なエリアを確認することができます。
特に島しょ部などで利用できるか、ご確認に活用ください。
○基準局衛星情報
各電子基準点の昨日の受信衛星数になります。
「衛星飛来予測」ツールも提供しておりますが、同ツールは軌道情報からの予測であり、本ツールは実績が確認することができます。
○観測最適指数
ここ最近の衛星数、DOP値と15分毎のFix回数の関係になります。
これにより衛星以外の要因(宇宙天気など)により、どの時間帯に影響がでているのか確認することができます。
○変動ベクトル図
ご利用になっている地域に設置されている電子基準点の変動ベクトル量を確認することができます。
周囲の変動量チェックに活用ください。
○仮想点データ活用レポ
測量業務において、仮想点後処理データを使った測位の活用方法をまとめたレポートです。
通信エリア外での測位に、後処理解析をご検討のかたはご参照ください。
○近傍電子基準点検索
VRSで観測時に使用した近傍の電子基準点を表示します。成果品等に記載が必要な場合など、ご活用ください。
2023年1月号「しばらく使っていなかった測器を使う」
しばらく測量機器を使っておらず久しぶりに使用したのですが、測位ができない(精度がでない、衛星数が少ない)というお話を伺いました。様々な原因が考えられますが、オープンスカイな場所で30分ぐらい測位させてから、動作検証をしてみてはいかがでしょうか。
GNSS受信機は衛星から信号を受信するのですが、その中に衛星の配置や位置情報が含まれます。そのデータをアルマナック、エフェメリスといいます。
アルマナックデータは自機を含め他の衛星軌道情報です、精度的には大まかなものに対して、エフェメリスは自機のデータのみで精密な位置情報となります。アルマナックは1日、エフェメリスは2時間毎のデータなので、しばらく測量機器を使用していないと、アルマナックとエフェメリスを新たに取得しなければなりません。
アルマナック、エフェメリスの更新が必要な状態で測位開始することをコールドスタートと言い、FIXまで非常に時間がかかります。そのため30分ぐらい測位させておき、アルマナック、エフェメリスを更新することで、しばらく使用していない測器が使えるようになるケースも考えられます。
2023年2月号「CPTrans_MJWの特長」
重機、農機、IoT機器向けに、弊社の専用通信装置としてCPTrans-MJWを用意していることをご紹介いたします。
弊社サービスで測位する際、GNSS受信機が弊社サーバへ通信(NMEA_GGAデータ送信、RTCMデータの受信)を行う必要があり、多くはモバイルルーター、携帯のデザリング、受信機側のLTE機能等でインターネットに接続して行われます。
上記のルーター等の機能を担うのが弊社の専用通信機器になり、GNSS受信機に接続することで、弊社サーバからのデータ通信部分の担い、通信したデータを使って接続したGNSS受信機が解析し、位置情報を求めています。(通信機器自体が解析は行いません)
以前の「CPTrans-SL2/A」と何が違うのかと、ご質問もいただきます。
電源をいれただけでジェノバサーバに接続、KDDI閉域網で通信という特長はそのままに、通信設定(ボーレート、配信データ種)をスマートフォンからWifi接続で設定可能、機器のサイズもコンパクトになりました。
また、機器に取り付けることを想定して防塵ケースも付帯しています。
特にご好評いただいているのが、通信が繋がり易く、安定している点です。
以前はの1つの携帯周波数帯で接続していましたが、CPTrans-MJWは4つの周波数帯に対応しているため、従前のSL2/Aに比べ繋がりやすく、安定します。
ご用命がございましたら、是非お問い合わせください。
2023年3月号「電子基準点の状態を確認する」
お問い合わせにて、「電子基準点の状態が知りたい」というお話をいただきます。
電子基準点はメンテナンスのため、時折サービス停止している場合があります。(何日間か止まるものから、瞬断まで様々です)
弊社のVRSをご利用の場合は、上記のようなメンテナンス中の電子基準点は省いて解析を行うため、サービス提供に問題ありません。
弊社サービスのマウントポイント(JRRXX)を変更することで、電子基準点RTKを使用することができます。その場合、最寄りの電子基準点を基準局に使用しますが、当該電子基準点がメンテナンス中の場合は、次に近傍の電子基準点を基準局にします。
上記のようになった場合、基準局と観測位置の基線長が長くなり、精度劣化の可能性が高くなります。(目安としては、基線長は10km以内が望ましいです)
そのため電子基準点RTKをご利用の場合は、近傍になると思われる電子基準点の状態を、以下のサイトなどでご確認いただくことを推奨いたします。
2023年4月号「WGS84?JGD2011?」
お問い合わせにて、「WGS84」「JGD2011(日本測地系2011)」など測地系に関するご質問をいただきます。
今回は違いについて、ご説明いたします。
測地系とは、地球上での位置を緯度・経度で表す基準(座標系)です。
WGS84はアメリカで決めた測地系になり、WGS楕円体をペースに座標を決めています。
他の測地系としてはITRF系※、PZ系(ロシア)があります。
※International Terrestrial Reference Frame:国際地球基準座標系
ITRF系は、GSR80楕円体に適合するように座標を決めています。
JGD2011(日本測地系2011)はITRF系の基準で定めた測地系になります。
JGD2011以前はJGD2000で、ITRF94が基準となっていましたが、ご存知のとおり2011年で東日本の大地震で大きく地盤が動いたことにより、東日本は再測し、その際にITRF2008の基準でとりまとめました。
これがJGD2011になります。
(つまり北海道・西日本はITRF94、東日本・北陸がITRF2008の基準であるのがJGD2011になります)
JGD2011の基準に則って測量を行った成果が「測地成果2011」となりますので、測量用途に観測する場合はJGD2011をご利用ください。
ちなみにWGS84楕円体とGSR80楕円体サイズは同一でないものの、近しいものとなり、WGS84も度々更新され、ITRFに近くなっています。
2023年5月号「マウントポイントについて」
マウントポイントについて、今回はご説明いたします。
マウントポイントは弊社サービス利用時の設定項目の一つです。
よくあるケースとしては、NTrip設定時に合わせて設定することが多いのではないでしょうか。
CPA方式(CPtransの利用)の場合も、設定変更できます。
ドローンなどは、カスタムRTK設定の「設定ポイント」といった表記になっている場合もあります。
マウントポイントは、「JVR32E」や「JRR32E」のような文字列なのですが、この半角英数文字を入力設定することによって、サービス内容を切り替えることができます。
主な切替内容は以下の通り
・VRS、仮想点方式RTK(JVR~)or電子基準点RTK(JRR~)
・使用する衛星システム(GPSのみから、GLONASS、QZSS、Galileo追加)
・測器に送信するRTCMデータのフォーマットバージョン
詳しくはこちらをご覧ください。
2023年6月号「インターネットが使えない地域」
「インターネットが使えない地域で測位したい」というお話をいただきます。
弊社のリアルタイム測位(VRS、電子基準点RRS)は、インターネット通信により補正データを配信しております。そのためインターネットが使えない地域では、ご利用になれません。
(参考ですが、StarLinkなどの衛星をつかったインターネット通信でご利用いただいたお話を伺ったことがあります)
インターネットが使えない環境下で高精度測位を行う方法として、「後処理キネマティック」という方法がございます。(PPK:Post Processing Kinematicとも言います)
後処理キネマティックは、まずインターネットが使用できない環境で観測して、観測データと弊社「後処理データ」を使って、ソフトウェア上で補正し、位置を求めることができます。
※後処理データはRinex形式のデータになります、ソフトウェアで対応しているかご確認ください。
後処理データは、弊社会員サイトより観測日時を指定してダウンロードすることができます。(有償)
その際に、電子基準点を基準局としたデータと、仮想点を基準局にしたデータを選択することができます。
電子基準点データは基準局にしたい電子基準点を選択、仮想点は基準局を生成したい位置の緯度経度を入力することで、ダウンロードすることができます。
仮想点データは、弊社VRS同様に複数の電子基準点データを使用して生成しております、さらに測位場所近傍を指定することで、高い精度が得らることが期待できますので、是非ご活用ください。
2023年7月号「国外・基準点網外でのVRS利用について」
弊社のサービスは、国土地理院の約1300点の電子基準点網(GEONET)のデータを基にサービスを提供しています。そこで「国外」や「電子基準点網の外」は利用できるかというご質問をいただきます。
まず「国外」ですが、弊社配信データの元となる電子基準点網は国内のみに設定されているため、国外ではご利用になれません。
「電子基準点網」の外ですが、網から10km程度離れた場所であればご利用可能です。10km以上離れていてもご利用になることは可能ですが、10kmから離れていくに従い精度劣化してしまいます。
離島など島しょ部の観測は「電子基準点網外」になることが多いですが、近隣に(10km以内に)電子基準点がある場合は、弊社マウントポイントを電子基準点RTKに切り替えて観測を実施することを推奨いたします。
具体的なサービス範囲については、弊社会員サイトの左側に表示されている「サービスエリアマップ」を参照いただけるとご確認いただけます。
2023年8月号「VRSを行うための通信と通信量について」
今回通信機器について触れましたが、よく「通信会社の指定があるか」等のお問い合わせをいただきます。
結論から申し上げますと、通信については国内通信利用可能な通信会社様であればどちらでもご利用になれます。もちろん格安SIMでもご利用可能※です。
※観測位置が通信可能エリアであるかは、必ずご確認をお願いいたします
次に、通信契約にあたって「どれぐらいの容量をVRSで使用されるのか」と、よくお問い合わせいただきます。
以前はGPS+GLONASSだけのデータでしたが、昨今はQZSやGalileoの情報も配信しているため、データサイズは多少大きくなっていますが、推奨設定(GGA送信間隔5秒)にした場合は、ジェノバから送信されるデータとおあわせても、1分で70キロバイト程度になります。
たとえば1日(8時間稼働、8×60分=480分)ご利用いただいた場合、VRSのみで約34MBになります。
ご検討の際に参考まで。
2023年9月号「セミダイナミック補正について」
ジェノバの配信を利用すると「セミ・ダイナミック補正」が測位結果に反映されているのですか?、、、とお問い合わせをいただきます。
・セミ・ダイナミック補正とは
日本は4つのプレートがあり、プレート連動により常に地殻変動が発生しています。その変動量は年間0.2ppm(100kmで2cm)程度であることが知られています。そのため同じ点を本日観測した位置(これを今期と言います)と、5年前観測した位置は違ってきます。
上記のため都度全国の地図を修正するのは、膨大の労力がかかってしまうので、地図はある時点※における、過去の位置情報(これを元期と言います)で表示しています。
※測地成果2011の基準日
セミ・ダイナミック補正は、今期で求めた位置を元期に補正するものです。
・ジェノバのVRSで観測する位置は地殻変動補正済
ジェノバのリアルタイム配信(VRS)を利用した場合、今期を元期にする処置(地殻変動補正)が行わてれいます。セミ・ダイナミック補正と同じ方法ではありませんが、成果としては測地成果2011の基準日に合致するようになっております。
2023年10月号「サービス利用時間について」
よく利用時間についてのお問い合わせをいただきます。
今回は以下2点についてご案内いたします。
■利用時間はいつからいつまでか
利用時間は、当社配信サーバー接続から切断までです。
CPTransは電源を入れるとすぐにサーバー接続するため、電源ONから電源OFFまでが利用時間になります。
ご利用になる機器によっては、いつサーバーに接続しているのか分かりづらいケースもあります。
先日、ドローンのソフトウェアをアップデート中にサーバー接続されていたというお話を伺いました。
サーバーに接続しているかいないかは、無償提供アプリの「J-View」などで確認できますが、端的に「機器の電源ONから電源OFFまでが利用時間」とご認識いただくのが良いかもしれません。
■会員サイトで利用履歴の確認
会員サイトにて、前月から過去3ヵ月のご利用明細を確認いただけます。
毎月第1営業日の夕方頃に、前月分が更新されます。
(今月であれば10/2の夕方に、9月分のご利用明細が更新されます)
2023年11月号「衛星・電子基準点の状況について」
弊社サービスの運用情報については、公式サイト「お客様サポート」から逐次お知らせしています。また弊社スマートフォンアプリ「J-View」からも最近情報を通知、確認することができます。
緊急性の高い運用情報については、トップページの運用状況の表示が「○通常運用」から「△情報あり」に変更になりますので、素早くご確認することができます。
また、ご自身でGNSS測位衛星の状態や電子基準点をご確認する場合は、以下サイトが便利ですので、ご案内いたします。
■GNSS測位衛星の状態
内閣府みちびき(準天頂衛星システム):各国の測位衛星
■電子基準点の状態
国土地理院:電子基準点停止状況
2023年12月号「このIDは誰が使ってどこにいるの?」
VRSのIDですが、例えばGNSS測量機器とドローンにセットして、午前は測器、午後はドローンのようなご利用が可能です。
しかし、同時にご利用いただくことはできません。
時折お問い合わせで、IDが利用できないというお話をいただいた際に、調査したところIDは利用可能で、かつ今利用されているといったケースがあります。
これは上記の例ですと、AさんがGNSS測器を使っている最中、Bさんがドローンを使おうとすると発生いたします。
残念ながら、誰が何を使用しているかは特定することはできません。
しかし、弊社アプリのJ-Viewを使用することで、現在どこで使用されているか調査することができます。場所を特定することで、当該位置で観測している方と調整することができるのではないでしょうか。
また現時点で使用しなくても、最後に観測された位置を表示する機能があります。
ドローンなどを見失ってしまった際など、最後に観測された位置を確認することで、捜索の手がかりになると思います。
是非ご活用ください。(J-Viewについてはこちら)
2024年1月号「この場所でVRSは使えるの?」
お問い合わせにて、VRSは一部電子基準点を使用しておらず、利用できない地域があるのではというお話を伺いしました。
弊社VRSのサービスは、全国約1300全点の電子基準点を使用していますが、サービス停止をしている電子基準点や、衛星から受信状況の悪い電子基準点については、除いて解析していることがあります。
一部電子基準点を除く場合は、他の電子基準点でフォローするため、高品質な配信内容を安定してご利用になれます。
(このように基準局のネットワークで補正するため「ネットワーク型RTK」と言われています)
ただし、離島などで電子基準点網からはずれてしまうと、電子基準点が原理的に利用できない地域もあります。
電子基準点網内なのか、網外なのかのご確認については、会員サイトにて「サービスエリアマップ」をご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。
なお、電子基準点のネットワーク網内にてVRSが利用できないケースは、携帯電話会社のサービスエリア外で、インターネット通信ができないことが考えられます。
これはVRSの補正データが、インターネットを介して観測機器に提供しているためで、ユーザー様によっては衛星電話、衛星通信などの利用を試みるかたもいらっしゃいます。
2024年2月号「JENOBAサーバとの通信頻度について」
車両や船舶でネットワーク型RTK(VRS)をご利用、またはご利用を検討されている方より、「車(船)から短い間隔でジェノバにデータ送信すると、細かい間隔で位置がわかるのでは」というお話をいただきます。
観測機器からジェノバにデータ(GGA)を送付いただいており、その情報を基にジェノバでは仮想点情報を生成し、観測機器に配信しております。
観測結果(位置)は、ジェノバ側で解析して位置を求めているのではなく、観測機器の機能により解析して求められます。
(観測機器側で、実際に衛星から受信したデータと、ジェノバの補正情報を使用して解析を実施することで、位置が求められます)
このとき、補正情報は1秒にも満たない短い時間間隔で変化するものではありません。
そのため例えば0.1秒間隔で送信しても、0.1秒分変化した補正情報を受信できません。
では逆に「ジェノバに送信するのは1度きりで問題ないのでは」と考えられます。
こちらは観測期間の精度を保つため、あまりお勧めできません。
測位衛星は刻々と位置を変えており、ゆっくりながらも定期的に仮想点の情報を更新することで、精度の安定につながります。
また、基準局と観測位置間の距離(基線長といいます)が10kmを超えると精度劣化すると言われており、弊社サービスの機能として仮想点から10km離れた場合は、再度近傍に仮想点を自動で生成します。(ハンドオーバー機能)
この最初の仮想点から10km離れたかどうかを判断するためにも、定期的なジェノバへの送信が必要になります。
このことから弊社としましては、「ジェノバへの送信間隔は5秒」を推奨いたします。
2024年3月号「能登震災地区での測位について」
※本情報は、2024年3月12日メールマガジン配信時点の情報になりますのでご注意ください
能登震災地区でサービス利用が可能かお問い合わせをいただきます。
まずリアルタイム配信ですが、能登震災地区もVRSは利用可能です。
Fix率や観測点間の相対精度(測位結果のバラつき)も従来と同等です。
なお、舳倉島近辺については、サービス対象範囲外となります。
また、2024年2月7日に国土地理院より、地震影響を加味した測地成果が公開されたため、弊社側で臨時メンテナンスを行っており、更新された測地成果に基づいて通常通りご利用いただけます。
電子基準点RTKにつきましては、成果公表停止している電子基準点以外であれば、ご利用可能となります。
こちらについても、2月7日に公開された測地成果が反映されております。
後処理データ配信は、仮想点につきましてはリアルタイム配信同様ご利用可能で、舳倉島近辺はサービス対象外になります。
電子基準点データにつきましては、停止している電子基準点(舳倉島、P輪島)以外、も含めすべての電子基準点データをダウンロード可能になります。
何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
2024年4月号「FLOATからFIXにならない件」
お問い合わせにて、ネットワーク型RTKの設定はできているが、なかなかFIXしないというご相談をいただきます。
以下2点についてご検討いただけないでしょうか。
■衛星数・衛星信号を変える
最低衛星数(5衛星)を超えていても、衛星数が少ないとFIXしづらくなります。
オープンスカイであれば多くの衛星を利用できることが期待できますが、実際はビルや樹木などに遮蔽されて、使用できないことが想定されます。
それでも多くの衛星が使用できる環境であれば、遮蔽されずに信号受信できる衛星数を確保できる可能性が高くなります。衛星数確保のため、利用するGNSSにGalileo衛星も加えてみてはいかがでしょうか。
市街地の観測などで、Galileo衛星を追加することで、FIXが早くなったというお話をいただきます。
また衛星信号もL1帯、L2帯だけでなく、L5帯などの活用も有効と考えております。
■あえてGPS+GLONASSだけで観測してみる
上記の施策でもFIXに至らない場合は、あえてGPS+GLONASSだけで観測をしてみてはいかがでしょうか。
測位信号には周波数の違いが有ります。測位信号が違うことで自然環境(電離層、対流圏、マルチパス、電波障害)の影響が異なります。
メーカーそれぞれ設計思想も違いますので、大きな影響を受けている場合は結果も異なることになります。
衛星系を変更したりすることで”FIXした”というような事例を良くお聞きします。
観測環境や観測方法により特徴の違いがありますが、現場での対策として参考にしていただければ幸いです。
2024年5月号「ネットワーク型RTKとは」
衛星測位にてRTK方式と、ネットワーク型RTK方式についての違いについてお問い合わせがありましたので、再度掲載になりますが違いについてご説明いたします。
■RTK方式とは
固定観測局から、その地点の位置座標と観測情報をインターネット回線や無線を利用して移動観測局に送信し、移動局では送られてくる固定局の情報と自局の観測情報を利用して即座に移動局に於ける位置情報を求める方式です。
■ネットワーク型RTKとは
上記RTK方式は単一固定局の位置座標と観測情報ですが、ネットワーク型RTKは複数の固定局情報で生成されたデータを、移動観測局に送信します。
方法もVRS方式とFKP方式があります。
ネットワーク型RTKについて、国土地理院より発行している測量業務の業務規程(作業規程の準則)にて、以下のように定められています。(抜粋)
“ネットワーク型RTK法は、位置情報サービス事業者(国土地理院の電子基準点網の観測データ配信を受けている者、又は3点以上の電子基準点を基に、測量に利用できる形式でデータを配信している者をいう。以下同じ。)で算出された補正データ等又は面補正パラメータを、携帯電話等の通信回線を介して移動局で受信すると同時に、移動局でGNSS衛星からの信号を受信し、移動局側において即時に解析処理を行って位置を求める。”
■ネットワーク型RTK方式のメリット
RTK方式に比べ安定して高い精度が確保できることから、作業面で様々なメリットを享受できます。
例えば測量業務の分野において、業務規程(作業規程の準則)では、以下のようなメリットを受けることで、業務効率化が期待できます。
ネットワーク型RTK方式で計画した作業に、RTK方式の観測方法を混在して観測した場合、再測量になる場合もありますのでご注意ください。
2024年6月号「無償アプリ”J-View”について」
展示会でユーザー様とお話して、まだ弊社「J-View」をご存知ないかたがいらっしゃいましたので、ご案内したいと思います。
弊社サービスのご契約者対象に、無償で「J-View」というアプリをご提供しております。
同アプリは、スマートフォンやPCでご契約しているNTripID、パスワード(CPTransご利用のかたは登録番号、パスワード)を入力することで、現在の観測状況を確認することができます。
この度「AppStore」「GooglePlay」にて、動作イメージの動画もご用意いたしましたので、参考までにご覧になってください。
展示会にてご紹介した際に、ユーザー様より以下のようなお声をいただきました。
- ・現場作業者がどこにいるか(どこまで観測できているか)わかる
- ・IDの取り合いの際に、どこの現場が使用しているかわかる
- ・観測がうまくいかないとき、ジェノバとの接続できているか、問題の切り分けができる
是非ご活用ください。
2024年7月号「接続時間の事故例」
GNSS測位の利用頻度から「従量プラン」を選択いただいているユーザー様から、課金と対象となる接続時間とは何かご質問をいただきます。
VRSや電子基準点RTKなど、リアルタイム測位を行うにあたり、概ね以下のような順番となります。
1)Wifiなどを使用してネットワーク環境に接続
2)RTK環境に接続(弊社サーバーに接続)
3)GNSS測量機器から弊社サーバーに概算位置の送信(GGA送信)
4)弊社サーバーから補正情報を送信(RTCM送信)
5)補正情報を基にGNSS測量機内で解析を行い位置が求まる
6)観測完了、RTK環境を切断(弊社サーバ切断)
課金の対象となる時間は、2)から6)までの時間となります。
参考に金額が想定外となってしまった事例を、ご紹介したします。
・専用通信装置「CPTrans」の電源をつけたままだった
専用通信装置「CPTrans」をGNSS受信機に接続してリアルタイム測位を行うことができます。
CPTransは電源ONすることで、上記1)2)を同時に行い、簡単にRTK環境に接続することができる反面、電源をつけたままにすることで利用時間が増えてしまいます。
ご利用にならない時は、必ず電源を落としてください。
・ドローン機体のアップデート過程で、自動的にRTK接続されていたドローンのソフトウェアアップデートするため、放置をしていたところアップデートの過程で自動的にRTK環境への接続が行われていた事例をユーザー様より伺いました。
念のため、アップデートの際にNTripのIDあるいはパスワードを一時的に消去するような対応をお勧めいたします。
従量プランについては課金額の上限はあるものの、こまめな電源OFFやネットワーク切断をしていただければと存じます。
また無償アプリ「J-View」で弊社サーバーに接続されているか確認もできますので、是非ご活用ください。
2024年8月号「単点RTKとNW型RTKの観測の違い」
同じ位置を「ネットワーク型RTK(VRS)」で観測した結果と、「電子基準点RTK」でリアルタイム観測を行った観測した結果が異なるというお問い合わせをいただきました。
両方式はいずれも電子基準点を基準局にしておりますが、ネットワーク型RTKは複数の電子基準点で情報生成した仮想点を基準とした使用したRTKに対し、電子基準点RTKも最も近傍の電子基準点1点を基準局にしたRTKになります。
観測結果はいずれも元期になるのですが、ネットワーク型RTKは前項でご説明した通り周囲の基準点成果に整合する形で観測されます。
それに対し、電子基準点RTKは基準局にした電子基準点1点の成果に整合する形で観測されます。
そのため使用した電子基準点(変動量が大きい点など)によっては、違いが発生することがあります。
電子基準点RTKは下図のとおり、基準局にした電子基準点の元期座標をつかって、単純に観測位置の元期座標を算出しています。
この方法ですと、使用している電子基準点の影響を強く受け、他の電子基準点を基準局に切り替えた場合、観測値が変わってくる可能性があります。
島しょ部など電子基準点に囲まれていない地域では電子基準点RTKは有効と考えますが、電子基準点に囲まれている地域はネットワーク型RTKを使用することを推奨いたします。
2024年9月号「RTKとPPKの測位結果は同じか」
弊社サービスにて、VRSをはじめとするリアルタイム解析と、後処理解析があります。
この後処理解析について、VRSに比べて精度的な部分で問題ないのかというお問い合わせをいただきました。
VRSはよく利用しているものの、後処理解析を使用していないユーザー様にとっては、「後処理解析」という方法が別物のように感じてしまうかもしれません。
結論から申し上げますと、リアルタイム解析と後処理解析は同じものになります。
ユーザー様のGNSS観測データ+弊社からの補正情報をキネマテック解析して観測位置を求めます。
補正データのフォーマットが、リアルタイム解析(RTCM形式、バイナリファイル)と後処理解析(Rinex形式、テキストファイル)ですが、内容は同じです。
大きな違いについては、観測結果がいつ得られるか(リアルタイムか、観測から少し経ってか)になります。
また、後処理解析のために補正データに含まれる誤差要因が平準化されていたり、状況のよい電子基準点を選んでRinexデータをダウンロードするといったことが可能になります。
以前のメルマガに特長をまとめておりますので、こちらを参照ください。
2024年10月号「古いGNSS受信機が利用できない理由」
古いGNSS受信機の利用について、ご相談をうけることがございます。
以下のような受信機の場合は、買換えを推奨いたします。
■新しいファームウェアが提供されない受信機
新しい衛星システムや信号の対応や、データフォーマットの更新、ロールオーバー※の対応など、通常であればメーカーのファームウェアの更新により解決できるようになります。
しかし、古いGNSS受信機にてファームウェアの更新が今後行われない機種があり、その場合は今後の利用ができません。
※GNSS受信機のロールオーバー
一部受信機・衛星の日付管理において週数をカウントしており、1023週(約19.6年)を超えると0週に戻ってしまう仕組み
■3G通信回線の受信機
au社、ソフトバンク社の3G回線のサービスは終了しており、docomo社については2026年3月31日迄となっております。
現在3G回線をご利用のユーザー様に伺うと、使える地域と使えない地域があり、非常に使い勝手が悪いとのとことでした。
2024年11月号「専用通信装置CPTransとは」
弊社の専用通信機器「CPTrnas」についてお問い合わせいただくことがあり、そもそもこの機器が何なのかご質問をいただきます。
(通信機能付きのGNSS受信機であると誤認されるかたが多いです)
今回は弊社専用通信機器の「CPTrans」は、VRS観測においてどのような役割なのかご紹介いたします。
VRSはリアルタイムかつ高精度に観測位置を求めることができます。
リアルタイム観測を可能としているのは、ネットワーク通信です。
リアルタイムにGNSS受信機側の情報を弊社が受信し、受信データを基に補正情報を生成・配信し、GNSS受信機側で解析を行っているためです。
そのためインターネットに接続できる機器を用意しなければなりません。
このインターネット接続と通信部分を担うのが「CPTrans」となります。
CPTransには既にVRS利用に必要な接続情報が登録済、かつ電源を入れるだけで通信するため、GNSS受信機に接続するだけでVRSがご利用いただけます。
- GNSS測位について
- サービス利活用について、サービスマニュアル
- メールマガジンバックナンバー(お問合せ)
- J-View活用マニュアル
- 高精度位置情報の産業利用
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